「何を」売るかを明確にするPrduct分析
マーケティングの基本は「誰に」「何を」「どのように」売るかです。
「誰に」に関しては、前回の記事でその方法をノートにまとめました。
次に決定しなければいけないのは、「何を」「どのように」売るかです。
その決定の手助けになるのが4P's分析であり
「何を」を明確にするのが「Product(製品)」と「Price(価格)」の分析。
「どのように」を明確にするのが「Promotion(宣伝)]と「Place(流通)」の分析です。
今回は、その中でも「何を(=製品コンセプト)」を明確にする一つ、「Product(製品)」についてです。
製品・サービスが持つ3つの機能「製品の核」
私たちが売ろうとしている製品・サービスには3つの機能が存在します。
1つは「製品の核」と呼ばれる部分であり、「本質サービス」とも呼びます。
今、仮に自動車という製品の核を考えてみましょう。
私たちは確かに自動車の見た目のカッコ良さや、燃費の良さなどで選ぶかもしれません。
しかし、自動車を買うその本質的な意図は、「移動すること」にありますよね。
その製品が、消費者の最も大きなニーズを満たしてくれるものこそが
その製品の製品の核、もしくは本質サービスと言えるのです。
「製品の形態」
(メルセデスベンツという「ブランド」がただの車に価値を加えています。)
さて、製品の持つ2つ目の機能が「製品の形態」です。
確かに、自動車は「移動すること」が最も本質的な特徴ではありますが
それ以外の理由で車を購入する人はたくさんいますよね。
たとえばベンツやフェラーリといった、ブランドで自慢したい人。
そして車の内装といった品質の良さなども購入のきっかっけとなります。
そういった製品の本質サービスに付け加えて、製品に魅力づけしているものを
製品の形態、もしくは補助的サービスと呼ぶのです。
この製品の形態には様々なものがありますが、代表的なものとして
ブランド:どれだけ顧客に受け入れられているかを表す
品質:製品の良し悪しを大きく左右する
パッケージ:購入の際には最も目に入る
スタイル、特徴:その製品だけにしかないもの
などがあります。
「製品の付随機能」
残る3つ目は「製品の付随機能」です。
自動車を例に挙げれば、仮に壊れた時のアフターサービスや、保証などがそれにあたります。
製品の形態を補助するものと考えればわかりやすいでしょうか。
その代表的なものを以下にまとめておきましょう。
おまけ:商品におまけをつけることで購買意欲を高める
保証:商品に不備があった時の保証をする
配達:商品を顧客のもとに届ける
アフターサービス:メンテナンスや、商品の使い方などを購入後もサポートする
取付:製品に必要な部品を取り付けする
プロダクト・ミックス
さて、製品の持つ3つの機能を説明したところで、プロダクト・ミックスという用語を説明します。
これは企業が同系統の製品・サービスを販売している場合考えなくてはならない問題です。
ここでは仮に自動車メーカーを例に挙げましょう。
車には様々な種類がありますよね。大衆車、小型車、スポーツカー、トラック、高級車など・・・。
これら製品の種類はそれぞれライン(製品系列)と呼ばれます。
さらに、そのラインごとに製品の特徴(=アイテム)が異なります。
たとえば燃費が良い、ブレーキシステム、パワーウインドウの有無などです。
もし、TOYOTAがあらゆる車すべてを製造・販売しようとする時、それはフルライン政策と呼びます。
フルライン政策を行えばより多くの層に製品を販売することができますが、製品の質は下がります。
では逆に、ある一つのラインの製品だけ、アイテムを変えて売り出せばいいのではないかと思いますが
その場合自分の会社の製品同士が顧客ニーズを奪い合う、共食いが起こる危険性があります。
製品の特徴による分類
(携帯電話は、他の人が携帯電話を持ってはじめて役に立ちます。)
ここで、製品の特徴による分類について触れておきます。
たとえば、買い手の違いに焦点をあてれば、消費財と生産材という区別ができます。
消費者が卵を購入して、それを目玉焼きにして食べたならその卵は消費財です。
ケーキ屋さんが卵を購入して、それでケーキを作って売ったならばその卵は生産材になります。
生産材=原材料と考えればわかりやすく、中には資本財と書かれることもあります。
製品の使用期間の長さに焦点をあてれば、耐久財と非耐久財という区別ができます。
耐久財は比較的長く使用できる商品で、たとえば冷蔵庫といった家電などがそれにあたります。
しかし、トイレットペーパーといった、すぐに消費するものは非耐久材といえます。
この消費財を買い物行動の違いから分類すれば、最寄品、買回品、専門品とわけることができます。
最寄品は、ニーズが発生すればすぐに購入される製品で、購買頻度が高く、消費者は商品を買うのに抵抗を示しません。
たとえばトイレットペーパーは必要とならば必ず購入され、買うのに躊躇する人は少ないですよね。
買回品は、ニーズが発生するのにある程度の時間がかかり、買いたいものが事前に決まっていないために複数の候補を比較しながら購買されます。
シャンプーなどを考えればわかりやすいかもしれません。使い切るまでにある程度時間がかかりますし、女性なんかは特に次はどのシャンプーを選ぶかよく迷っていますよね。
専門品はどの製品を買うか事前に明らかであり、それを得るためには努力を惜しまない商品です。
たとえば、好きなアーティストのCDなんてどうでしょう。その人のCDを買うことを事前に決めてからCDショップに立ち寄り、それを買うためにはいくらでもお金を払いますよね。
製品と製品の組み合わせに着目すれば、システム財とコミュニケーション財という分類ができます。
システム財は、単独では機能せず、他の製品と組み合わせることで機能する製品です。
これはテレビゲームのハードとソフトの関係だとわかりやすいでしょうか。
ハードだけでもゲームは遊べません。ソフトを買うことでやっと製品の機能が機能します。
コミュニケーション財は、同じ製品同士がコミュニケーション可能な商品のことです。
たとえば、携帯電話などは、同じ携帯電話という製品を持っている人がその機能を使うことができます。
他にも様々な製品の分類方法がありますが、できる限り多くの分類方法を知っている方が
製品の特徴の幅を広げ、競合他者の製品に差をつけることができます。
まとめ
このノートでは自分が売りたい製品が「何か」を具体化するための「製品」について学びました。
まず、製品は「製品の核」「製品の形態」「製品の付随機能」の3つで構成されます。
また、同じ系統の製品を販売する場合は、プロダクト・ミックスが必要になるのでした。
そして、製品の特徴によって、様々な分類があるのです。
以上の項目から、自社が売り出す製品をより具体化していくのです。
それでは、次回の記事はより「製品」を具体化するために必要な
「価格(Price)」の設定に関するノートを書こうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。